20101119

Tokyo D Travel ①新橋ー有明「静岡新聞東京支社」

今にも雨が降り出しそうな中、「Tokyo D Travel」第一回目。

11:30新橋駅を降りたら、もうとにかく寒かった。

旧新橋駅を見に行こうか迷ったが、雨が降り出すまで時間が限られていたので今回はパス。


駅をおりて右を見ると目に入るのは、汐留の高層ビル群の中の「日テレタワー」。


名称:日テレタワービル
竣工:2003.4.30
設計:三菱地所設計、リチャード・ロジャース
場所:港区東新橋1-6-1
構造:地上部(鉄骨造)地下(鉄骨鉄筋コンクリート造)
階数:地下4F 地上32F H=約196m

1997年にコンペで三菱地所がとったもので、敷地は旧国鉄跡地の再開発地区である。ABC街区のCが行くに建設された複合ビル。他地区にも、共同通信、鹿島建設、松下電工、電通、シティーセンター、ツインパークスなどの高層ビルが林立している。
周辺街区と地下、地上、ペデの3レベルで歩行者ネットワークを展開した「多層都市」モデル。











―特徴―
1.環境調和技術
建物南西面のフレキシブル・ダブルスキン
エアフローウインドウと調光制御
エレベータシャフトの自然換気

2.フレキシビリティー
地上100m部に70m×30m×H20mフレキシブルな大空間を制作工場として設置
3.パットレス
下部のスタジオに必要な大空間と上部のオフィス、これらの構成を高い安全性を確保することを可能にしているのが、建物四隅に設置されているパットレスである。地震時のエネルギーを約4割負担できるという。
色彩に関してはその鉄塔感を強調する為に無耐火被覆の塗装仕上げになっている。

4.サンクン広場
地下2階から地上2階にかけてはサンクン広場がペデストリアンネットワークと一体的に設置され、多層都市を形成している。


と、行ってないものを蛇足で書いてしまったが本題。



左に視線を移すと、丹下さんの「静岡新聞東京支社ビル」が見える。
ちょうど高架橋入り組んだ地域のY字路位置している事もあって目立つ。




[概要]
名称:静岡新聞・放送東京支社ビル
竣工:1968(S42)
設計:丹下健三
場所:中央区銀座8-3-7
構造:地上部(鉄骨造)地下(鉄骨鉄筋コンクリート造)
階数:地下4F 地上32F H=約196m


この近くにある黒川紀章の「中銀カプセルタワービル」と同様、メタボリズム思想の代表作である。

—メタボリズム  Metaborisum—
1959年〜 黒川紀章、菊竹清訓などの日本の若手建築家・都市計画家グループが開始した建築運動、思想。「メタボリズム=新陳代謝」の意。
社会変化や人口成長に合わせ、有機的に成長する都市や建築を提案しようとしたもの。

高度経済成長という時代背景に強く共振し、大スケールで有機的成長を許容する柔軟で拡張性の高い構造を持つ思想。
モダニズムの固定化された形態や機能を支える「機械の原理」を否定し、空間や機能が社会変容と共振しながら変化する「生命の原理」の有用性を解いた。
黒川紀章や菊竹清訓らの提示した、都市計画や建築においては、塔や会場のシリンダー等のコアとなる巨大構造物に生活ユニットやオフィスなどが取り付く様な構成をとる。これらのユニットが社会変容や老朽化に伴って細胞が更新されていく様に取替式で新陳代謝していくことができるとされている。
1970年大阪万博を機に時代背景とともにその運動も終焉に向かったが、近年その思想が再評価されつつあり、「海市2.0」などが開催されている。

日本が世界に対して訴えかけた歴史上初めての建築運動だと思われる。たぶん。

と色々調べながら再学してみた。





で実際に「東京建築MAP」片手に訪れてみた。
当初はガンメタリックの様な色のようだった?が、なんだか焦げ茶色?
野暮ったくなってしまっているような。。。

しかしそのポストモダン色満開な構造家泣かせの大胆な形態は40年以上たった今見ても新鮮な印象であった。

中央の円筒形のコアシャフトにキャンチレバーの様にして、各部屋が設置されている。




このコアシャフトが延長されて部屋を増設する、老朽化や用途変更で部屋を付け替えるなどが意図されている。
実際にはそんな事はできないけれどもメタボリズム的な思想を良く表現している。






なんだか木に部屋がまとわりついている様にも見えるw

しかし、右の部屋群が隣接するビルとやや連続的に見えてしまうのが惜しいな。
竣工当時はどうだったのかな、ちょっと見てみたい。
どっかに写真ないかな、探してみよう。

見つかったらまた更新予定。

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