20101119

Tokyo D Travel ①新橋ー有明「中銀カプセルタワービル」

丹下さんの静岡新聞・静岡放送東京支社を後にし、少し歩いた位置にあるのが、
同じくメタボリズム建築の代表格である「中銀カプセルタワービル」。




[概要]
名称:中銀カプセルタワービル
竣工:1972(S46)
設計:黒川紀章
場所:中央区銀座8-16-10
構造:SRC造 一部S造
階数:地上13階、地下1階

世界初のカプセル型の集合住宅で、各部屋の独立性が高く、
老朽化や更新に際して交換可能な構造になっている。
(2010年までに実際には一度も交換されていないらしい)

でも外壁が大分雨で汚れている印象だ。

こちらも丹下さん同様、メタボリズム思想をそのままストイックにカタチに落とし込んだ様な建築。
よく漫画で描かれていた様な近未来的なイメージがゾクゾクと伝わってくる。


黒川さんはメタボリズム思想の中でカプセルというキーワードを持っていて、カプセル一つ一つを細胞に例えていた。この細胞の更新こそが新陳代謝、メタボリズムである。

時を同じくして、アーキグラムもカプセルという考えを持っていて、
メタボリズムに対してなんらかの影響を与えていた可能性があるとのことである。
調べてみる価値がありそうである。





そんなカプセルタワービルには、最近でもデザイナーや芸術家が暮らしているらしい。

すっごく住みにくい様ですが、なんか銀座の一等地にあって、
「俺、黒川さんのカプセルタワービルに住んでるんだ」
なんて言えたらちょっとカッコイイなw

色々調べてみたら5万7000円で住めるらしいが、
アスベスト、雨漏り、配管トラブル等様々な問題がある物件の様。
しかも、あの◯窓も開かないモノだから空調なしではヒートアイランド東京では暮らせない。

一階にはコンビにがあるのでそういう面では便利なようだ。




しかし、20世紀の半ばで黒川紀章が描いた未来の建築の在り方、近接する典型的な21世紀型開発である汐留の再開発ビルと対比的にみると非常に面白い。

アイロニックな印象。でもなんだかこのカプセル君は憎めない。
20世紀のバブリーな匂いがプンプンして、日本が建築が夢を描いていた時代の建築らしい。
これは、20世紀後半という時代を的確に示す歴史的な価値が出てくると思う。
だから黒川さんに賛成。建替えないで残していくべきだと思う。

しかし、全く違うモノに21世紀は進んでいる。
21世紀的な建築ははたして100年後の人々にどのような印象を与えるのだろうか。
残していくべきだと言われる建築がはたしてどれほど東京に、日本にできていくだろう。













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