20110528

最近みた橋とか修論とかとか雑感




【大曽根歩道橋】

X字の線形、それを成立たせる桁厚がやや重たいがダイナミック。
大野美代子さんが関わられていると思われる橋。

維持管理が悪い。
蓮根も辰巳もそうだが、首都高関連で行政が管理している橋は維持管理の状況が悪い印象がある、非常に残念である。


しかし、埼玉県からお借りした図面を見るとこの橋を架ける為にどれだけの力が注がれたかが見て取れる。ものすごい綺麗に整理された図面。
当時の首都高速道路公団のエンジニアの優秀さや想いが伝わってくる。






【八景島駅前歩道橋】
これも大野美代子さんが関わられていたもの。
切り立つエッジと柔らかなエッジ、その対比が明快な主塔。

この橋も全体のトータリティーにおいては詰めが甘いが、随所に大野さんのディテールが現れている。












































【ベイウォーク:汐入歩道橋】
3つ目、大野美代子さんの中期の代表作と思う。

この橋は、国と民間の事業だけあってディテール、トータリティー共に申し分ない。
維持管理もしっかりとされていて美しい。

奥に見えるのが丹下健三作の建物。

この橋は丹下建築の生み出す直線性の強い空間性を従属的に表現している。

線と曲線のバランス感覚。
この橋にはいろんなエッセンスが詰まっていた。



どれも今見ればそこまで洗練された薄さや軽さは持ち合わせていない。

しかし、3つの橋それぞれに違う条件化でそれぞれの回答を出していて、どこか美しく、飽きない橋である。


橋のー特に人道橋において、獲得すべき「空間性」。
そのヒントがやっぱり大野さんの橋から得られるんではないかと思う。




川崎市役所の帰りに見た川崎駅西口:日研設計シビル




ガラスで覆われたトラス構造のストラクチャーの大屋根。
ディテールを見ると、四角パターンがランダムにプリントされガラスに表情を与えている。

ランダムなのか規則性があるのか?
アルゴリズムとかで、透過光の量とかで決まっているんだろうか。

天井は岩見沢駅自由通路と同じ波形の材。ここでは色は白系(岩見沢はレンガ色)


見事に駅前広場が建築的につくられてるなって感じだった。
熊本駅そうだけど、駅前広場の新しい解。

今までの純土木的な美しい駅前広場とは違った新しいものっていう感じを受けた。


被災地入りのその後

被災地入りして早くも一ヶ月。


その後も様々なところで震災・復興についての知識を得、議論する機会があった。


2011_0508 対話カフェ「震災と私」

ワールドカフェという対話手法の説明






















実際にワールドカフェを終えての模造紙の様子



参加者で円になってチェクアウト


2011_0521 震災をめぐるグランドトーク@早稲田
景観の祖:鈴木忠義先生と土木文化財の会の高橋先生のお話、また津波研究の本学の柴山先生の調査のお話を伺う。



しかし、ブログでもまとめられていない様に自分の頭の中を整理できていない。
結局今のところ写真だけUPの状況。

常に意識をとぎらせずに復興の問題は考え続けなければいけない。
そう脳では分かっていても少しずつ少しずつ、日常の修論やなにやに追われていく自分が嫌だ。



そして、今日は優秀な諸先輩社会人の方々と情報交換会。
皆、それぞれに現地に行って見て感じたことがあるだろう。

自分はどんな情報を共有できるだろうか。
あと数時間、しっかりと頭の中を整理していこうと思う。

20110425 石巻・東松島






20110424 気仙沼市











20110424 陸前高田市










20110424 大船渡市

仙台を後にして、東北自動車道を更に北上。
水沢市で一泊し、岩手県南部の沿岸へ。

この日は憎らしい程の快晴。

南部リアス式海岸、まずは、大船渡市に到着。

被害の様相は、仙台の平野部とは全く違う。
瓦礫の量も全く持って違う。

水産加工関連施設

津波で転倒してそのままになっている建物

高台と低地部で被害の明暗がはっきりと見て取れる

以前駅だったはずの場所


パソコンが生きていないか確認したのだろうか



(上)根元から折れている電柱
(下)船に記された漁師の思い

高台避難場所を示す看板

未だ通行止めになっている鉄道のアンダーパス道路

20110423 仙台塩釜港周辺地域

名取川周辺を後に、東部道路という東西地域の盛土の境界上を北に走り、仙台塩釜港へ。

平野型港湾。
東北の水上物流の拠点である、仙台塩釜港。

到着して驚いたのはスケールが思っていたよりは小さかったこと。
地図ではみていたが、港湾周辺地域は大型店舗が立地し、広大な駐車場のボイドが広がっていた。

カインズセンターに車を停め、港に向かう。



(上)道路沿いに積み上げられた被害を受けた車

道の傍らには大量の車が綺麗に並べられて廃車を待っている。

湾を取り巻く様に工場地帯が広がりその周りに大型SCが立地する。
港湾のスケール感と周辺の建物群のスケール感にずれがあって少しばかり違和感を感じる。

みやぎ産業交流センター。
無惨にもファサードのガラスが所々割れ、外構の舗装、ポール、照明機器等は全壊状況。

技術と贅(税)をつくしてつくった施設が見るも無惨な状況になっている。






(上)一匹だけ生き残ったねずみ
(中)無惨にも剥がれてほとんど残っていない舗装
(下)傾斜したポール群



仙台中央公園。






(上)海辺のベンチ
(中)散乱する舗装材
(下)海に飲み込まれたモニュメントや樹木




(上)大量に流れ出たキリンの飲物



(上)桜は生き残りその花を咲かせ、生き残った人々を勇気づけている

キリンビール仙台工場北の被害が大きかった川沿いの地域。

湾と七北田川が平行してあるため、両側から津波が来たのではないかと推測される。




(上)民家に流されてきているトラック